本質から理解する算数・図解解説

計算のきまりと順序 1 + 2 × 3 の答えはなぜ「7」?

同じ式なのに計算する順番によって「9」と「7」の2つの答えが出てしまう理由と、それを防ぐための算数の「カッコ( )の約束」を図解で分かりやすく解説します。

1. 計算の順番で答えが変わってしまう?

「 \( 1 + 2 \times 3 \) 」 という計算問題が出されたとき、皆さんはどのように計算しますか?
実は、計算する順番によって、全く異なる2つの答えが出てしまいます。

① 足し算を先にする
\( 1 + 2 \) \( \times 3 \)
\( = \) \( 3 \) \( \times 3 \)
\( = 9 \)
② 掛け算を先にする
\( 1 + \) \( 2 \times 3 \)
\( = 1 + \) \( 6 \)
\( = 7 \)
💡 算数の大ピンチ!

1つの数式から「9」と「7」の2つの答えが出てくると、買い物やお金の計算でみんなが困ってしまいます。これを解決するために、算数には世界共通の「約束」が作られました。

2. なぜ答えが変わるの?(図解で意味を考えよう)

ただ数字を計算するだけだと「どちらでもいいのでは?」と思うかもしれません。
しかし、算数の式は「現実の世界の出来事(場面)」を表しています。
答えが変わる最大の理由は、計算の順番によって「式が表しているお話(意味)」が全く別のものになってしまうからです。
ブロックの図を使って、2つの計算がどのような状況を表しているのか、詳しく見てみましょう。

パターン①:足し算を先にした場合(答え:9)

足し算 \( 1 + 2 \) を先に計算するということは、「最初に1個と2個を合わせて『3個のグループ』を作り、そのグループが3セットある」という意味になります。
お買い物で例えるなら、「100円のガムと200円のチョコをセットにして、それを3人分買う」というような場面です。

\( + \)
\( \times \)
\( (1 \) 個 \( + \ 2 \) 個 \( ) \) を ひとまとめにして \( \times \ 3 \) セット \( = \ \) \( 9 \) 個
パターン②:掛け算を先にした場合(答え:7)

掛け算 \( 2 \times 3 \) を先に計算するということは、「2個ずつのまとまりが3セットあり、そこにバラの1個をあとから足す」という意味になります。
お買い物で例えるなら、「200円のチョコを3個買い、それとは別に100円のガムを1個買う」という場面です。

\( + \)
バラの \( 1 \) 個 \( + \ (2 \) 個 \( \times \ 3 \) セット \( ) = \ \) \( 7 \) 個

このように、計算の順番が変わると「お話の内容」そのものが変わってしまいます。
これでは、同じ式を見た時に人によって違う場面を想像してしまい、お金の計算や建物の設計などで大事故につながってしまいます。

世界共通の算数の約束(ルール)

そこで、世界中の誰が計算しても必ず同じ「1つの場面」を想像できるように、算数では強力なルールが決められました。

\( + \) (足し算) や \( - \) (引き算) よりも
\( \times \) (掛け算) や \( \div \) (割り算) を先に計算する

このルールがあるため、ただ \( 1 + 2 \times 3 \) と書かれた場合は、
自動的に「掛け算(パターンの②の場面)」を先に計算することになり、
答えは「7」 になるのが正解となります。

! 文章題で考えてみよう

「100円のガム1個と、200円のチョコを3個買いました。全部でいくら?」

これを式にすると、
\( 100 + 200 \times 3 \)
となります。

もし足し算を先にしてしまうと「\( (100 + 200) \times 3 = 900 \) 円」となり、ガムまで3個買ったことになってしまいますね。
掛け算(チョコの代金)を先に計算しないと、正しく計算できません。

3. カッコ ( ) を使った式作りの約束

ルール通りに計算すると掛け算が先になりますが、「どうしても足し算を先に計算させたい!」という場面もあります。そんな時に活躍するのが カッコ \( ( \ \ ) \) です。

ルール①:足し算を先に計算したいときは ( ) をつける

「 \( 1 + 2 \) をひとまとまりとして先に計算してね」と命令したいときは、その部分を \( ( \ \ ) \) で囲みます。算数では カッコの中を世界で一番最初に計算する という最強のルールがあります。

\[ (1 + 2) \times 3 = 3 \times 3 = 9 \]
ルール②:掛け算を先に計算するときは ( ) はつけなくてOK

掛け算を先に計算させたい場合、わざわざ \( ( \ \ ) \) をつけて \( 1 + (2 \times 3) \) と書いても間違いではありません。

しかし、算数には「掛け算を先に計算する」という基本ルールがすでにあるため、普通はカッコを省略して書く のが一般的です。

\[ 1 + 2 \times 3 = 1 + 6 = 7 \]
※ \( 1 + (2 \times 3) \) と書いても意味は同じですが、普通は省略します。

このように、「計算の順序を変えたいときだけカッコを使う」と覚えておくと、複雑な式もスッキリと書くことができます。

🧠 まとめとポイント
  • 足し算・引き算より、掛け算・割り算を優先する。
  • 順序を変えたいときは \( ( \ \ ) \) を使う。カッコの中が最優先!
  • 掛け算を先にする場合は、カッコをつけずにスッキリ書くのが算数のマナー。