東京都西多摩郡日の出町の過去・現在・未来の軌跡

大久野・平井の歴史から武蔵引田の再開発まで、自然と調和した持続可能なまちづくり

2026年度 最新版

日の出町の全体像

東京都西多摩郡日の出町は、東京都心から西へ約40〜50kmの距離にある自然豊かな町です。秩父多摩甲斐国立公園の東玄関口として、町のシンボルである日の出山(標高902m)を有し、四季折々の自然の恵みを享受できる環境にあります。大久野(おおぐの)地区と平井(ひらい)地区からなる本町は、面積28.07km²、人口は約16,000人(2026年現在)で、都心へのアクセスと豊かな自然環境が共存する魅力的な町です。

日の出町は自然環境と共生しながら発展してきた歴史を持ち、今日では都市機能と自然が調和した「住みよさ」を追求するまちづくりを進めています。地域コミュニティの絆を大切にしながら、子育て支援や高齢者福祉に力を入れ、「みんなでつくろう 日の出町!」をスローガンに、安心・躍進・自立のまちを目指しています。

面積

28.07km²

人口

約16,000人

2026年現在

世帯数

約7,500世帯

日の出町の風景
日の出町の美しい自然風景(出典:日の出町観光協会)

日の出町の特徴

  • 秩父多摩甲斐国立公園の東玄関口
  • シンボル「日の出山」(標高902m)
  • 平井川の清流と豊かな里山風景
  • 圏央道日の出インターチェンジへのアクセスの良さ
  • イオンモール日の出など商業施設の充実
  • 子育て支援や高齢者福祉の充実

日の出町の歩み(過去)

1955年

日の出町の誕生(大久野・平井の合併)

昭和30年(1955年)に旧大久野村と旧平井村が合併して日の出村が誕生しました。当時は人口8,487人、1,522世帯でした。村名は日の出山から命名されました。日の出山のように日の出の勢いで成長するように、と当時の東京都総務局長 細田義安氏により「日の出村」と命名されました。

1974年

町制施行

昭和49年(1974年)6月1日、日の出村から日の出町へと町制が施行されました。東京都内で最も新しい町の誕生でした。昭和40年~50年代にかけて住宅団地の造成などにより人口が急増したことが背景にありました。

1990年代

ごみ問題と環境対策

平成に入り、東京都三多摩地域の廃棄物広域処分場を受け入れるという大きな決断をしました。地元第3・第22自治会や町民の方々等と、「ごみ問題」に直面しながら幾多の困難を乗り越えてきました。この経験が環境先進都市としての道を切り開くことになります。

2007年

圏央道日の出IC開通

平成19年(2007年)6月、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)日の出インターチェンジが開通しました。これにより、アクセスが飛躍的に向上し、町の交通利便性が大きく改善されました。

2007年

イオンモール日の出開業

平成19年(2007年)10月、イオンモール日の出が開業しました。桜木地区土地区画整理事業とあわせて、町の商業環境が大きく変化し、多くの来訪者で賑わうスポットとなりました。

2015年

人口のピーク

平成27年(2015年)の国勢調査では、町の人口が17,446人となり、平成22年から増加しました。東京都内の三多摩地域では、12の市町村が人口減少になっている中で、日の出町は増加率が三多摩30市町村中第2位となりました。

歴史的産業と文化

日の出町の歴史的風景
日の出町の歴史的風景(出典:日の出町ホームページ)

日の出町の歴史は林業と農業が中心でした。スギ・ヒノキ等の林業が盛んで、質の良い木材として知られていました。また、山間部の石灰岩を活用したセメント産業も発展しました。

特徴的な産業として、とうばや棺おけを作る木工業が盛んで、日の出町で作られたとうばやごま札は全国のお寺などに販売されています。棺おけの生産では日本有数の生産地として知られていました。

農業では、稲作を中心に野菜や果物の生産が行われ、近年では日の出トマトなどの特産品も生まれています。また、町内には江戸時代末期から多くの蔵が造られ、現在も157棟の蔵が残されており、貴重な文化遺産となっています。

日の出町の今(現在)

人口動向と特徴

日の出町の人口は、2020年国勢調査では16,958人で、2015年の17,446人から減少に転じました。高齢化率は38.6%と高く、東京都平均(23.1%)を大きく上回っています。町の特徴として、介護保険施設等が多いために、高齢者人口が特に多くなっています。

町内の65歳以上の人口(老年人口)は減少傾向で推移していくことが見込まれ、生産年齢人口および年少人口も減少に転じることが予測されています。

町民アンケート結果

  • 町に愛着を持っている人:81.0%
  • 町に住み続けたい人:87.3%
  • 満足度が低く重要度が高い項目:「医療」「学校教育」「情報化」「自然環境」

現在の人口構成推計

12.9% 年少人口
(0-14歳)
48.5% 生産年齢人口
(15-64歳)
38.6% 老年人口
(65歳以上)
日の出町の現在の風景
日の出町の現在の風景(出典:TAMASHIMA.tokyo)

現在の産業と経済

日の出町の里山風景
日の出町の里山風景(出典:Tokyo Grown)

現在の日の出町は、第1次産業(農林業)の縮小と、第3次産業(サービス業)の拡大が進んでいます。圏央道日の出インターチェンジの開通やイオンモール日の出の開業により、商業環境や交通アクセスは飛躍的に向上しました。

特産品としては「日の出トマト」「ねぎラー油」「ブルーベリージャム」「ゆずジャム」「あおうめジャム」などが知られています。また、木工業や製材業も引き続き町の重要な産業となっています。

観光面では、日の出山や白岩滝などの自然景観を活かしたハイキングコースが人気を集めています。四季を通して多くのハイカーが訪れる人気スポットとなっており、自然環境を活かした観光振興が図られています。

まちづくりの取り組み

子育て支援

次世代育成クーポンの交付や青少年育成支援金の支給など、子育て世代を支援する福祉施策を展開。学校給食費の無償化も実施し、家計の負担軽減を図っています。

高齢者支援

70歳以上の方の医療費助成など、高齢者に優しいまちづくりを推進。地域包括ケアシステムの構築による、住み慣れた地域での暮らしをサポート。

環境保全

ごみの減量化・リサイクルの推進、自然環境の保全と公園・緑地の整備など、環境先進都市を目指す取り組みを展開。

日の出町の展望(未来)

第六次日の出町長期総合計画

日の出町では、令和8年度(2026年度)から令和15年度(2033年度)までを計画期間とした『第六次日の出町長期総合計画』がスタートしています。この計画は町の最上位計画であり、まちの将来像や基本理念、政策の方向性を示す「基本構想」と、「基本構想」を実現するための具体的な取組を掲げた「基本計画」の2層構成により、まちづくりを推進していきます。

「人にやさしく 住みよいまちづくり」未来への一歩を踏み出しましょう

— 日の出町

将来人口の展望

国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、日の出町の人口は2040年には15,667人まで減少すると予測されています。しかし、町では積極的な施策により、2060年に13,600人の人口確保を目指しています。

人口減少と高齢化が進む中で、若い世代の定住促進や子育て環境の充実、高齢者が健康で安心して暮らせる環境づくりなどに取り組み、人口減少の緩和と活力あるまちづくりを進めていく計画です。

目指すべき将来の方向(3つの基本方針)

  • 若い世代の結婚・出産・子育ての希望の実現
  • はたらく場づくりを中心とした次代を担う人材の確保
  • 安全・安心で活力あるまちづくり
日の出町の風景
日の出町の自然環境(出典:TAMASHIMA.tokyo)

人口将来展望

16,650人 2010年
実績
17,446人 2015年
実績
18,005人 2020年
目標
13,600人 2060年
長期目標

まちづくりの重点施策

デジタルトランスフォーメーションの推進

行政サービスのデジタル化や業務効率化、町民のデジタルリテラシー向上支援など、デジタル技術を活用したまちづくりを進めます。

ゼロエミッションへの取り組み

脱炭素社会の実現に向け、再生可能エネルギーの導入促進や省エネルギー対策、循環型社会の構築などに取り組みます。

インフラ整備と災害対策

老朽化するインフラの計画的な更新や、災害に強いまちづくりを進め、安全・安心な生活環境を確保します。

総合文化体育センターの設置推進

住民の文化・スポーツ活動の拠点となる総合文化体育センターの設置を推進し、健康増進や地域交流の場を創出します。

3つの基本目標と6つの施策の柱

基本目標1:生涯にわたって健康で安心して暮らせるまち

  • ひのでA(安全)・A(安心)大作戦
  • 生活環境の充実、消防・防災の充実
  • 防犯・交通安全の充実、土地の有効利用
  • 都市・住宅基盤の整備、道路・公共交通の充実

基本目標2:交流を基盤に若者もいきいき定住するまち

  • 子育て支援の充実とお年寄りにやさしいまちづくり
  • 健康づくりの総合的推進、地域福祉の充実
  • 子育て支援の充実、高齢者支援の充実
  • 障がい者支援の充実、社会保障等の充実

基本目標3:人と文化が輝く「わたしのふるさと」ひので

  • 元気のある活気に満ちた商工観光業・農林業の振興
  • 農林業の振興、商工業の振興
  • 観光の振興、情報化の推進
  • 豊かで創造性に富んだ児童・生徒を育成するための教育の充実による人づくり

武蔵引田駅北口の再開発と日の出町のつながり

武蔵引田駅北口の新しい街並み(2026年現在)

あきる野市が進める武蔵引田駅北口土地区画整理事業(約19.5ha)は、令和14年(2032年)の完了を目指し、現在急速に街の姿を変えています。

2026年の最新情報として、駅周辺エリアには待望のスーパーマーケット「公正屋」ドラッグストアなどが続々とオープンしました。これまで農地が中心だったこのエリアは、住まい、商業施設、そして駅前広場などがバランス良く配置された、利便性の高い新しい街へと生まれ変わりつつあります。

武蔵引田駅北口土地区画整理事業の特徴

  • 施行面積:約19.5ha
  • 主な新規オープン(2026年):スーパー「公正屋」、ドラッグストア等
  • 事業期間:平成28年(2016年)〜令和14年(2032年)予定
武蔵引田駅再開発
武蔵引田駅北口土地区画整理事業の様子

保留地販売と新しい住民

商業施設のオープンに伴い街の利便性が向上したことで、住宅用地などの保留地販売も進んでいます。新しい住民や事業者が集まり、活気に満ちたエリアが形成されています。

あきる野市・日の出町 新学校給食センターの共同整備

あきる野市と日の出町では、老朽化した学校給食センターの統合・新設を進めてきました。

この新しい学校給食センターは、まさにこの武蔵引田駅北口の再開発エリア内に建設されています。令和7年度(2025年度)に建設工事が始まり、令和8年度(2026年度)の稼働に向けて着実に準備が進められています。

この事業は、日の出町とあきる野市が協力して効率的に行政を運営する重要な取り組みです。両自治体の子どもたちに、安全で美味しい給食を届ける新しい拠点が、もうすぐ完成します。

自治体間連携の意義

人口減少社会において、隣り合う市や町が協力することはとても重要です。給食センターの共同整備は、その素晴らしい成功例と言えます。

建設費や運営費を抑えるだけでなく、地元の食材を共同で調達したり、災害が起きたときに助け合ったりと、たくさんのメリットが期待されています。

新学校給食センターの概要

  • 建設場所:武蔵引田駅北口土地区画整理事業地内
  • 事業スケジュール:令和7年度 建設工事着手、令和8年度(2026年度) 稼働開始に向け進行中

日の出町の将来展望と武蔵引田駅再開発の相乗効果

交通アクセス向上

武蔵引田駅北口が整備されることで、隣接する日の出町へのアクセスもスムーズになり、人の行き来がさらに活発になります。

お買い物環境の充実

「公正屋」やドラッグストアなどの誕生は、日の出町民にとっても日常の買い物が便利になるという大きなメリットをもたらします。

協力しあう関係性

給食センターの共同整備をはじめ、あきる野市と日の出町が手を取り合うことで、より良いサービスを提供できる体制が整います。

日の出町の過去・現在・未来の軌跡

歴史から紐解く日の出町の軌跡

日の出町は、1955年の村合併から始まり、「ごみ問題」を乗り越えて環境先進都市へと成長しました。2007年の圏央道IC開通やイオンモールの開業により、自然と便利さが共存する魅力的な町となりました。

未来への展望と課題

未来に向けた挑戦

  • 少子高齢化への対応と人口減少の抑制
  • 若者の定住促進と子育て環境の充実
  • 自然環境の保全と都市機能の調和
  • 周辺自治体との連携強化(武蔵引田エリアの活用等)
日の出山
日の出町のシンボル「日の出山」(出典:西多摩地域広域行政圏協議会)

まとめ:持続可能なまちづくりの道のり

人口減少や少子高齢化という課題はありますが、「みんなでつくろう 日の出町!」のスローガンのもと、武蔵引田駅周辺の新しい街の活気も取り入れながら、持続可能な「住んで良かった日の出町!」の実現に向けて着実な歩みを続けています。