現状のポイントと今後の見通し【詳細解説】
今年度の引き上げ目安 (全国平均)
+57円前後 (約5%超)
昨年度の+51円を上回る大幅アップが有力。背景には、持続的な物価高や、2年連続の高水準となった春闘での賃上げの流れがあります。
過去の引き上げ額推移
「2020年代のうちに達成」という目標に向け、年間約90円(7%以上)のペースが必要とされ、引き上げピッチが加速しています。
経済状況に応じA~Dの4ランクに分けて目安が示されます。東京は最高位のAランク。地域間格差の是正も大きなテーマです。
7月下旬~8月前半
厚生労働大臣の諮問機関が、全国的な引き上げ額の指針を決定。これが全ての都道府県の議論の出発点となります。
8月後半まで
国の目安を参考にしつつ、各地域の経済実態(企業の支払い能力、労働者の生計費など)を考慮して具体的な改定額を審議・決定します。
8月下旬~9月上旬
労使からの異議申し立て期間を経て、問題がなければ都道府県労働局長が正式に決定。官報で公示され、法的な効力を持つようになります。
10月1日~
この日から、全ての事業主は新しい最低賃金額以上の時給を支払う義務が生じます。
現行 (2024年)
1,163円
見込み (2025年)
1,220円前後
月収への影響は? (1日8時間・月20日勤務の場合)
+9,120円/月 の増加!
(1,220円 - 1,163円) × 8時間 × 20日
東京: 1,163円
秋田: 951円
全国加重平均: 1,055円
「2025年に全都道府県で1,000円超え」が目標。地方の賃金底上げが加速し、地域間格差の是正が進むかが焦点です。
基本姿勢:賃上げの流れは容認しつつも、急激な上昇には懸念。
基本姿勢:物価高騰を上回る大幅な引き上げを強く要求。
時給・日給・月給の全従業員が、改定後の最低賃金を下回らないか確認。特に残業代の基礎時給にも注意が必要です。
事業場内最低賃金を引き上げる企業向けの「キャリアアップ助成金(賃金規定等改定コース)」などの活用を検討しましょう。
ITツール導入や業務フローの見直しを行い、人件費上昇を吸収できる体制づくりが中長期的に重要になります。
10月1日以降の給与(通常は10月締め・11月払い分から)が、新しい最低賃金を下回っていないか必ず確認しましょう。
時給アップにより、意図せず扶養の範囲(103万、106万、130万円など)を超える可能性があります。働き方を調整するか、扶養を外れて働くか検討が必要です。
もし最低賃金を下回っている疑いがあれば、会社の担当者や、地域の労働基準監督署に相談できます。