健康のヒケツは「バランス」
食事からとるエネルギーの理想的なバランス(PFCバランス)を知っていますか?下のグラフは、三大栄養素からどれくらいの割合でエネルギーを摂るのが理想的かを示したものです。健康な体づくりには、このバランスを意識することが大切です。
炭水化物
炭水化物は、私たちの体が活動するための主要なエネルギー源です。特に脳はブドウ糖を唯一のエネルギーとしているため、集中力や思考力を保つために欠かせません。このセクションでは、エネルギーの源である炭水化物の役割や種類、どんな食品に含まれているかを詳しく見ていきましょう。
役割
体を動かすエネルギーになる。 脳の唯一のエネルギー源。 食物繊維は腸の働きを助ける。
種類
糖質(ブドウ糖、砂糖、でんぷん等)と食物繊維に分けられる。
多く含む食品
ごはん、パン、麺類、いも類、砂糖、果物など
タンパク質
タンパク質は、筋肉や内臓、皮膚、髪の毛など、私たちの体そのものを作るための重要な材料です。また、体の機能を調整する酵素やホルモン、病気から体を守る免疫物質もタンパク質から作られます。体作りの基礎となるタンパク質の秘密に迫ります。
役割
筋肉、臓器、皮膚、髪の毛など、体をつくる。 酵素やホルモン、抗体(免疫物質)の材料になる。 エネルギー源にもなる。
種類
約20種類のアミノ酸から構成される。体内で作れない「必須アミノ酸」は食事から摂る必要がある。
多く含む食品
肉、魚、卵、牛乳・乳製品、大豆製品(豆腐、納豆など)
脂質
脂質は、少量でもたくさんのエネルギーを蓄えることができる効率の良いエネルギー源です。また、細胞膜の材料になったり、体温を保ったり、特定のビタミンの吸収を助けたりと、目立たないながらも多様な働きをしています。脂質の上手な摂り方について学びましょう。
役割
効率の良いエネルギー源。 細胞膜やホルモンの材料になる。 体温を保つ。 脂溶性ビタミン(A, D, E, K)の吸収を助ける。
種類
肉の脂身などに多い「飽和脂肪酸」と、魚や植物の油に多い「不飽和脂肪酸」がある。
多く含む食品
食用油、バター、肉の脂身、魚、ナッツ類、アボカドなど
ビタミン
ビタミンは、他の栄養素が体の中でスムーズに働けるようにサポートする「潤滑油」のような存在です。必要量はわずかですが、ビタミンが不足すると様々な不調の原因になります。ここでは、水に溶けやすい水溶性ビタミンと、油に溶けやすい脂溶性ビタミンの2つのグループに分けて、それぞれの特徴と働きを探っていきます。
ビタミンA
化学式: C20H30O
役割: 目の健康、皮膚・粘膜の維持
食品: レバー, うなぎ, 卵, 緑黄色野菜
不足すると: 夜盲症, 免疫力低下
ビタミンD
化学式: C27H44O
役割: カルシウムの吸収促進、骨の形成
食品: 魚, きのこ類, 卵黄
不足すると: 骨軟化症, くる病
ビタミンE
化学式: C29H50O2
役割: 抗酸化作用、血行促進
食品: 植物油, ナッツ類, アボカド
不足すると: 冷え性, 肌荒れ
ビタミンK
化学式: C31H46O2
役割: 血液凝固、骨の形成
食品: 納豆, 緑黄色野菜
不足すると: 血が固まりにくい
ミネラル
ミネラルは、骨や歯といった体の構成成分になったり、神経や筋肉の働きを調整したりと、生命活動の維持に不可欠な栄養素です。体内で作ることはできないため、食事からしっかり摂る必要があります。必要量が多い「主要ミネラル」と、ごく微量で働く「微量ミネラル」に分けて、その重要な働きを見ていきましょう。
カルシウム
化学式: Ca
役割: 骨や歯の形成
食品: 牛乳・乳製品, 小魚
不足すると: 骨粗しょう症, イライラ
リン
化学式: P
役割: 骨や歯の形成、エネルギー代謝
食品: 肉, 魚, 卵, 豆類
不足すると: 筋力低下
カリウム
化学式: K
役割: 水分バランス・血圧の調整
食品: 野菜, 果物, 海藻
不足すると: 脱力感, 不整脈
マグネシウム
化学式: Mg
役割: 骨の形成、酵素の補助
食品: 海藻, ナッツ類, 豆類
不足すると: 筋肉のけいれん
ナトリウム
化学式: Na
役割: 水分バランス調整、神経伝達
食品: 食塩, 醤油, 味噌
不足すると: 脱水症状, 疲労感